|
11月29日、友人が合唱に参加している東京アカデミッシェカペレの演奏会に、6月に続いて伺いました。 第36回演奏会の今回は、第一部がメンデルスゾーン『最初のワルプルギスの夜』、第二部がブラームス『交響曲第2番 ニ短調』でした。 私の今回の一番の目玉は、鹿児島大学医学部教授にしてドラマティック・テノールの米沢傑先生が、第一部のソリストとして出演されることでした。米沢先生の声を生で聴くのは、2005年11月の藤沢市民オペラ『トゥーランドット』以来!あの輝かしい声をひさしぶりに聴けるのを楽しみに会場のオーチャード・ホールに向かいました。 プログラムの解説によると、『最初のワルプルギスの夜』は、ゲーテのドイツ語の詩にメンデルスゾーンが曲をつけたもの。小説『ファウスト』に出てくる「ワルプルギス」と区別するために「最初の」と付したという説もあるそうです。 私は「ワルプルギスの夜」というと、ムソルグスキーの『禿げ山の一夜』みたいな、魑魅魍魎が跋扈する集会を想像するのですが(参考映像:ディズニーの『ファンタジア』と『魔法使いサリーちゃん』)、ゲーテの書いた「最初のワルプルギスの夜」は、ドルイド教の春の儀式を描いたバラードでした。 ドルイド教と言えば、オペラ・ファンにはベッリーニの『ノルマ』でおなじみの、キリスト教以前のヨーロッパの土着信仰。メンデルスゾーンもあるいは意識してメロディをつけたのでしょうか、序曲を聴いていて、ふと『ノルマ』のそれを思い出しました。 第一曲目から、いきなりドルイド教徒を歌った米沢先生の声を聴くことができました。相変わらず、よく伸びる強靱な高音で、さらに中音域も多用する役どころ。ただし、この第一曲と終曲しかテノールのソロがなかったのは、ちょっと残念でした。 キリスト教の襲撃を案ずる老婆をアルト、ドルイド教の高僧をバリトンが担当するなど、ドルイド教とキリスト教の戦いが描かれ、最終的にはキリスト教徒が敗走します。終曲で、ドルイドの勝利を歌ったコーラスなど、オペラ的と言っても差し支えない輝かしい盛り上がり方で、「ワルプルギス」と聞いて、おどろおどろしい曲調ではないかという私の予想はすっかりはずれました。 ゲーテがキリスト教が土着信仰に敗れる詩を書いていたとは、興味深いです。ひさしぶりに『ファウスト』を読み返してみようかと思います。 第二部のブラームスの『交響曲第二番』は、よい意味でリラックスして鑑賞することができました。クラシック音楽を「癒しの音楽」とか言うのはあまりに常套文句だとは思いますが、『ワルプルギス』で高揚した感覚を、ブラームスの美しいメロディが中和してくれて、ここのところギスギスした精神状態になりがちだった私を、ほんとうに癒してくれました。 この人間的な暖かみのある音楽を紡ぎ出したのは、ゲルハルト・ボッセ氏の指揮に因るところ大であることは間違いないと思います。上品な白髪と少しお背中が丸くなっているご様子を見て、お年を召していらっしゃるとは思いましたが、プログラムを読んで1922年生まれと知って仰天しました。なんとお元気で、感性も豊かであられるのでしょう。指揮棒を使わず、その指先から美しい音が導き出される様を間近にして、心から感動しました。 もちろん、アマチュアで限られた練習時間だと思われるのに、演奏会の度に高いレベルに進まれているオーケストラと合唱の皆様の努力の賜でもあることも、忘れることはできません。 ほんとうによい音楽を聴かせて頂いて、この場を借りてお礼申し上げます。 関連記事 :東京アカデミッシェカペレ第35回演奏会 ロイド=ウェッバー「レクイエム」 |
| << 前記事(2008/11/30) | トップへ | 後記事(2008/12/02)>> |
| タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
|---|
| 内 容 | ニックネーム/日時 |
|---|---|
はじめまして。東京アカデミッシェカペレの合唱団に所属しておりますよねぴーと申します。先日はご来場いただきまたご高評を賜り、誠にありがとうございました。 |
よねぴー 2008/12/05 09:00 |
>よねぴーさん、はじめまして。 |
なつ 2008/12/05 14:29 |
>なつさん |
よねぴー 2008/12/05 15:59 |
>よねぴーさん、ご丁寧にありがとうございます。 |
なつ 2008/12/05 18:45 |
| << 前記事(2008/11/30) | トップへ | 後記事(2008/12/02)>> |