私の為に笛を吹いて下さい 「氷艶2019 月光りのごとく」第二幕 その2

源氏がどこかで生きていることを信じていた頭中将は、男の一念⁉︎で遂に、笛の音を頼りに松浦達と共にいる源氏を見つけ出します。
福士さんの演技が実に素晴らしかった。「やはり生きておられたんですね。光源氏様!」と源氏との再会の喜んだのも束の間、海賊達を怪しみ剣を抜きかけるが、彼らが源氏の命の恩人と知り「それは失礼した」と頭を下げる。このお辞儀が実に日本的で美しかったですねえ。
そして頭中将が源氏に都の惨状と紫の上の監禁を語り決起を促してからの展開、ここでのアンサンブルが見事で歌になだれ込むまでの自然とげきてきに盛り上がっていくところが何十回観ても素晴らしい!

頭中将「光源氏様、時代は変わります。このままでは国が滅びます。」→
松浦「誰もが幸せになる日がきっと来る!」→
源氏「よし!行くぞー!」→
松浦「準備だー!」


…いつも言っているように、私は贔屓を”過剰に”持ち上げることには抵抗があるのですが、この時の大ちゃんについては、褒め称えないわけにはいきません。だって俳優さん達に混じって、違和感なく流れに入っていってるんですよ?贔屓目なしでも、俳優の素質あるとしか言いようがないんですけど!

そしてこの上演屈指の華やかなナンバーが始まり、松浦「人は皆 幸せつかむ権利がある どんな人にも」→頭中将「恐れずに前を見つめ 突き進むんだ 己を信じ」と歌い継ぎ…
初日に現地でここまで来て「えっ?次、大ちゃん?大ちゃんがう歌うの?」と内心(勝手に)狼狽えていたら…
「さあ立ち上がれこの国のために」と源氏が歌った!歌ったぁぁ!!しかも上手い!!!
お腹の底からしっかりと出したよく伸びる声、音程もきちんと取れていました。私もスケーター高橋大輔を応援するようになって10年以上経ちますが、まさか人前で堂々とお芝居して歌まで歌う人になるなんて想像もしていませんでしたよー。歌なら佐野稔さんが現役時代にCD出したり、リッポン君がエキシで歌ったこととかありましたが、まさか贔屓が俳優さん達に混じってお芝居の中で歌うとか…10年前の私に教えに行っても、絶対信じなさそう。
間奏部分で登場した船のセットに一同が乗り込み「恐れずに前を見つめ 幸せを掴もう♪」と歌いながら船が進んでいく…!皆さん仰っているとおり「レ・ミゼラブル」の和製「民衆の歌」っぽかったですね。初日の私の席は、ちょうど船の真正面のスタンドだったので、舳先にいる源氏たちがぐいぐい迫ってきて、それはもう大迫力でした!

そこへ長道が差し向けた船が行手を阻み、海上での決戦が始まる。宙乗りした織田君の陰陽師に呪いをかけられ松浦が味方に剣を向け出してしまう。自らの意思に反していうことを聞かない刀を持つ腕を振りかざした松浦は「こうなったら!」と叫び、自らの首を描き切る。
そして刹那の源氏の叫び「あなたは女!」この発声の間の取り方が絶妙なんですよね。ほんと大ちゃん勘がいいですわ。
等々と分析するよりも何よりも、この場面何十回見ても泣けます…
「初めてお会いした時からお慕いしおりました。どうか私の為に笛を、笛を吹いて下さい」最期の瞬間に女に戻った松浦の魂の叫びを、私は一生忘れないでしょう。
当記事では略してしまいましたが、この前の場面で、紫の上を想って笛を吹く源氏を前にして密かに苦悩する松浦を見ていただけに、叶わぬ恋に殉じた松浦の冥福を心の底から祈らずにはいられませんでした。


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