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zoom RSS 二期会 ヨハン・シュトラウス 「こうもり」

<<   作成日時 : 2013/02/24 23:14   >>

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久しぶりにオペラ(正確には「喜歌劇」)を観に行ってきました。
二期会 ヨハン・シュトラウスU世『こうもり』(2月23日 東京文化会館)

オペラアリアのコンサートには何度か足を運んでいましたが、全曲上演は一昨年のボローニャ歌劇場引っ越し公演『エルナーニ』以来でしょうか。
最初にこういうことを書くのもどうかと自分でも思いますが、高橋大輔君が現役の間は、お金のかかるオペラは控えようと思っているし、また昨年、小澤征爾さんの体調のため、ウィーン歌劇場引っ越し公演で上演されるはずだった小澤+ニール・シコフの『スペードの女王』が他の演目に差し替えられたことで…私とオペラの絆がぷっつり切れてしまったような気がしていたのです。今さら言っても詮無いことですが、この『スペードの女王』が日本でシコフの全曲オペラのパフォーマンスを観る最後の機会だったろうと思うので…。

そんなわけでオペラと疎遠になりつつあった私でしたが、今回は友人に誘われたことと、オール日本人キャストでお値段リーズナブルということで、腰を上げた次第です。
その結果…久しぶりに生の舞台に接っして、やっぱりオペラはいいなあ!やっぱり私は好きだったんだなあ!とつくづく思いました。実は、私は歌詞も台詞も日本語上演というのは初めてだったのですが、ほとんどハンデを感じませんでした。

ヨハン・シュトラウスの『こうもり』はNHKなどで放送される時に、「喜歌劇」とつけられますが、いわばオペラとオペレッタの中間のような…つまりあっちにもこっちにも属する「こうもり」そのものでしょうか!?
昨シーズン、期せずして、鈴木あっこちゃんのフリーとデイヴィス&ホワイトのFDで『こうもり』序曲が使用されていたことで、フィギュアスケート・ファンの方にも、あのシャンパンの泡がはじけるようなメロディはおなじみになっているのではないでしょうか。特に国別対抗で見たチャーリーの燕尾服姿は、かつてのヨッヘン・コヴァルスキーのオルロフスキー公を彷彿とさせて、私は胸熱でしたよ!


閑話休題。そのコヴァルスキーが90年代にカウンターテナーのオルロフスキー公で一世を風靡していた頃、大ファンだった私は生でもテレビでも何度も何度も『こうもり』観ていて、ストーリーもメロディもよくよく分かっているのに、昨日も楽しかったこと!二度の休憩挟んで3時間半でしたが、ほんとうに楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまいました。
メロディもストーリーも登場人物も、いかにも成熟した(ちょっと退廃的な)ヨーロッパ文化のエッセンスのようなオペラなのですが、オール日本人キャストで日本語歌詞でもちゃんとそのエッセンスが伝わってきました。ただし、せっかくの文化会館の広さをいかしていない(はっきり言って)しょぼいセットと、毒々しいくらい派手な舞踏会の衣装が難でした。それと、バレエの場面でダンサーでなくて二期会のコーラスの人たちが踊ったのもちょっと残念でした。
歌手陣ではアデーレの幸田浩子のいつもながらの可憐なコロラトゥーラと、ロザリンデの腰越満美の堂々たる貴婦人ぶりも特筆もの。アイゼンシュタインの萩原潤とフランクの泉良平も声、演技ともに十分満足いくものでした。お二人とも喜劇のセンスがありました。アルフレードの樋口達哉の美声とイケメンぶりと明るいキャラクターもよかった。林美智子のオルロフスキーは声が細いのと、存在感が控えめだったのが残念。メゾ・ソプラノの男装でも、往年のブリギッテ・ファズベンダーくらいの押し出しの強さと、暗い声質だと迫力あるオルロフスキーになるのですが…。まあ、日本人がズボン役やると、どうしても宝塚っぽくなっちゃいますね(宝塚ファンの方ごめんなさい)。
というか、私はほんのひととき咲き誇ったあだ花のようだったヨッヘン・コヴァルスキーのカウンターテナー版オルロフスキーに完全に洗脳されていますので…。コヴァルスキーが演じると、オルロフスキーの頽廃感と飲んだくれっぷりが迫力ありましたからね。
そう、『こうもり』は「酒」が主役のオペラなんですね。シャンペン、ウォッカ、トカイ酒etc, etc. ひととき浮き世の憂さを忘れさせてくれる享楽や刹那の象徴。「忘れることが出来るものが幸せなんだ」という、賑やかさの中にふっと漂う諦念…。美しいメロディに興じ、笑いながらもどこか切なくなる…それが『こうもり』です。
フィナーレでアイゼンシュタインが妻ロザリンデに許しを乞い、「何もかもシャンペンの泡の所為なんだ」という台詞大好き…なんですが、萩原アイゼンシュタインがここで土下座しちゃったのは、あまりに日本的で思わずウィーンから上野に戻りました(苦笑)。

大植英次の指揮については、序曲で「テンポ速過ぎ!」と最初思ったのですが、途中から緩急を自在につけ、情感たっぷりの音作りで満足しました。二期会のコーラスも実力を発揮していました。

セットのことしょぼいなんて書いてしまいましたが、ここ数年の景気のことを考えれば、こういうところで節約しなければいけないんだろうな、とは思います。全幕、舞台の上にさらに一段高い壇を設けてそこで物語が展開されたのですが、あの狭さではバレエ出来ないし、カーテンコールで歌手が横に並ぶと、落ちるんじゃないかと心配になった程でした。それでも、「何もかもシャンペンの泡の所為さ!」とひととき、浮き世の憂さを忘れて楽しく華やかな3時間あまりを過ごすことが出来ました。


極めつき!クライバー指揮の序曲



私の(絶対的)オルロフスキー公=コヴァルスキー




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