エリザベス・テーラー 「クレオパトラ」、オードリー・ヘップバーン 「パリで一緒に」

キャサリン・ヘップバーンの『旅情』もオンエアされたし、ここのところ、往年の名女優シリーズかな?BSプレミアム。
エリザベス・テーラー主演『クレオパトラ』 "Cleopatra"(ジョセフ・マンキーウィッツ監督 1963年)とオードリー・ヘップバーン主演『パリで一緒に』 "Paris When It Sizzles"(リチャード・クワイン監督 1964年)を見ました。
2本で1セットの感想文にした…ということは、どちらも今ひとつの作品だったということです。

まずはハリウッド全盛時代の最後の輝き?とも言える超大作スペクタクル史劇『クレオパトラ』
…とにかく長い。長すぎる。全編4時間あまりでしたが、あのストーリーなら3時間にまとめられるだろうと思った。そろそろヴェトナム戦争がアメリカ社会に影を投げかけ始めた時代に、巨大セットと人海戦術、そしてしずかちゃんのようにしょっちゅう入浴しているクレオパトラのお色気シーンのコケおどしは、悪い意味で無邪気すぎたのではないでしょうか?当時のアメリカの観客がどう感じたかは、知るよしもありませんが…。
第一部はクレオパトラ&カエサルで、第二部はクレオパトラ&アントニウスという分かりやすい構成。
カエサルはレックス・ハリソンが演じましたが、"セクシー・レクシー"らしからぬお疲れ気味のおっさんカエサルで、クレオパトラからしきりに「世界征服」(ドクター・イーヴルかい!)の発破を掛けられていました。クレオパトラの尻に敷かれるカエサルという設定は、個人的に気に食わん。結局、クレオパトラはカエサルを自分の野望のためにパートナーとしていただけのようで、カエサル暗殺の時も「私の息子が!」と、息子カエサリオンのことしか考えていない様子でした。

第二部になり、実生活でも大スキャンダルに発展するリチャード・バートン演じるアントニウスが新たな愛人となりますが、クレオパトラはこの野卑な男には心底惹かれてたいたようでした。
いかんせんアクティウムの海戦以降のグダグダが長すぎた。ずばりダメ男とわがまま女の愁嘆場の連続で、さっさと毒蛇登場させてくれ、と私は酷いこと考えてました。すみません。

この映画のみどころは、やはりたっぷり金をつぎ込んで再現した古代ローマ(当然のようにセットが組まれたのはローマのチネチッタ撮影所)と、オクタヴィアヌス(後のアウグストゥス)を演じたロディ・マクドウォールでした。まず外見がオクタヴィアヌスの彫像にそっくりというのが萌えポイント。優男で病弱で軍人としての才能はなくても、言葉巧みに元老院や世論をあやつる狡猾さ。悪役萌えの私には、ポイント高かったです。このオクタヴィアヌスの活躍する元老院のシーンが、一番面白かった。
カエサルの部下ルフィウス役の若き日のマーティン・ランドーも素敵でした。


『クレパトラ』のリズ同様に、『パリで一緒に』のオードリーにも、年齢という影が忍び込んでいるのが、つらいところでした。元が絶世の美女だけに、少しの翳りも目についてしまうのでしょうが…、その点、シワを隠すこともなく、中年女性を演じてなおチャーミングだったキャサリン・ヘップバーンとの違いですね。
まあ'60年代のオードリーがブリッ子してたのは今さらですが(ファッション・センスはいつも素晴らしい!)、『パリで一緒に』では、共演のウィリアム・ホールデンが年取り過ぎているのもキツかった。死者にむち打つようで気が引けるのですが、ホールデンはコメディセンスにも欠けていて…。
パリでハリウッド映画の脚本を執筆するホールデンにタイピストとして雇われたオードリーが二人で共同作業を続けるうちに恋に落ちるというのは、ロマンチックコメディの定番。二人が書く脚本が劇中劇として展開していくのですが
これがくだらなさすぎ。ボツにする脚本という設定だから、くだらなくて当然なのでしょうが、くだらない映画マニアの私が退屈するようでは、ダメなくだらなさです。
カメオ出演のマレーネ・ディートリッヒの威風辺りを払う美しさが一番の見どころでした。声だけだけど、この映画の為のオリジナルらしいフランク・シナトラとフレッド・アステアの歌声も聞けます。



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この記事へのコメント

ヒロ
2012年07月20日 20:52
こんばんは。
昔、そのまた昔、テレビで『クレオパトラ』を観ました。
エリザベス・テーラーしか記憶に無く、ストーリーも全然覚えてません。当時、小学生だったから仕方ないのですが。
夏さんの解説で観た気になったので、これでいいかなぁ..

『パリで一緒に』は家にDVDがあります。
まだ観ていません。 さっそく観てみようかなぁ..

夏さんって映画に詳しいですが、もう何百本も観られているのでしょうか..。何千本?


ごみつ
2012年07月21日 00:26
今晩は。

「クレオパトラ」は大昔にテレビ放映(水曜ロードショーだった、水野さんの)で見たきりなのでほとんど覚えてないんだけど、当時ですらあんまり面白いと思わなかった記憶だけ残ってるので、やっぱりお金かけまくりの駄作って感じでしょうか?
でももう1度見てみたいな~。そうそう!M・ランドー出てましたよね!

「パリで一緒」には昔は感動した記憶があったのですが、昨年再見したら、それほどの作品じゃないんですよね。夏さんの感想に同意見です。
「パリ」の方はTBさせていただきました~。

しかし、昨夜から涼しくてホント楽ですね。雨降ってきたけど明日も涼しいのかな~?
2012年07月21日 00:48
ヒロさん、こんばんは。
私も昔、地上波で放送した時に「クレオパトラ」見たことありますが、通して見たかどうかも記憶が曖昧です。時間的にカットされた場面もあっただろうし…。
リズは十分美しいのですが、おなかまわりとか気になって…既に何度か結婚離婚を繰り返し、子供を産んでいるのだから、仕方ないことなのでしょうが…。

オードリーは'60年代はパリが舞台の映画が多いですね。『シャレード』が一番好きで、次が『おしゃれ泥棒』。私の場合、共演男優に左右されるのかもしれません(笑)

何千本だなんて、とてもとても。今よりずっとたくさん見ていた若い頃も、年間100本に全然届きませんでしたもの。ただ気に入った映画については、しつこく覚えている方かもしれません(笑)
2012年07月21日 00:58
こんばんは。
今、布団乾燥しているのですが、あまりに寒いのでほかほかの布団の上に座ってPCに向かっています

比べても仕方ないけれど、「ベンハー」どころか「クオ・ヴァディス」に比べても、見劣りしますよね…「クレオパトラ」。この記事書くために、検索してみたら公開当時かなりのヒットはしたらしいんですが、制作費があまりにも膨大で、回収できなかったらしいです。

ロディ・マクドウォールといい、マーチン・ランドーといい、古代ローマのトーガ姿が様になっていましたね-。下高井戸に「テルマエ・ロマエ」がかかったら見に行く予定なので、阿部ちゃんのトーガ姿がどのくらいイケてるか楽しみです☆

「パリで一緒に」はカメオ出演のスターは多かったけれど、キャラ立ちした登場人物がもう少しそろっていたら=脇役が充実していたら、もっと面白くなったと思うんですよ。

7月にこんな気候おかしいですね!?お互いに風邪引かないように気をつけましょう。

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