2月24日(木) 「ガス人間第1号」

風邪の経過をご報告いたします。よくも悪くもなっていません。相変わらず、げほげほぐすぐすです。薬剤師をしていた亡き叔母の「風邪を引いてしまったら、もう効く薬はない。予防に努めるべき」という言葉が、今さらながら身にしみています。
ぎっくり腰の方は、今朝になったらだいぶ痛みが引いていたものの、一応昨年の夏にも通った、スポーツ選手・芸能人の色紙が壁いっぱいの整形外科に行ってきました。お医者様は「忘れた頃にやってきますからねえ」。しばらく「牽引」「電気治療」を続けるということで、勤めのない日に、通えばよい程度でしょう。


さて。レンタルしてきた『ガス人間第1号』(1960年・東宝 本多猪四郎・監督、円谷英二・特技監督)を観ました。以前、『ゴジラ』の感想を当日記にupした時に、コメントしてくださった方のご推薦があったので。
見る前は、八千草薫が特撮?とも考えなくもなかったのですが(断っておくと、私には偏見ありませんが、当の俳優さんたちに抵抗があったのでは、と推測して。某名優が特撮ものに出されたのが不本意で、東宝から他の会社に移籍したというゴシップを、ある掲示板で読んだことも)、ご本人が脚本を読んで納得されたとのこと。さすがは八千草さん!ほんとうに、脚本も演出も素晴らしい作品です。
冒頭の銀行強盗のシーンから、映画的魅力に満ちています。カーチェイスの後に、人里離れた荒屋敷から鼓の音が響いてくる…という展開も見事。最後まで一気に見せられました。
それから話は想像も及ばないような展開を見せるのですが(う?それはなかろう?と思いつつ、見終ったら納得させられていた私)、とにかく家元制度問題と、「空想科学」を結び付けてしまったのが、すごい。
普通に暗い、土屋嘉雄扮する「水野」が、落ち目の日本舞踊の家元「藤千代」=八千草薫に、ガス人間であることを利用して(笑)、さんざん貢ぐ話です。「お金がかかる人だ」とか言ってて、でも純愛なのね(ノ_・、) 非常に普通っぽく、突然そこにいる水野が、かえってこわいです。ガス化するシーンは、土屋さんの演技と特撮が完全に溶け合った見事なもの。
そして、美しく凛とした八千草薫がヒロインを演じてこそ、この映画が成り立ったのだと思います。
その暗く破滅的な二人に対して、現実と正義を代表する三橋達也の刑事の存在が、別の意味で映画を救っています。

この作品はDVDも出ているポピュラーな作品なので、結末を知りたくない方は、以下ネタバレ記述は、お避けください。





















最後の「発表会」を終えた後の、藤千代によるガスライター点火…ふたりの愛が昇華したとも取れなくはないけれど、藤千代がほんとうに愛していたのは、「芸」なのか?「水野」なのか?という疑問を残した終わり方だと思いました。水野が最後劇場の外に這い出てきたのを見ると、彼にとっては無念・不本意な、藤千代による「無理心中」だったのでしょう。映像的にも凄絶なラスト・シーン…
藤千代の爺やの左ト全が、ふたりに殉ずるのも悲しい (T_T) ト全さん、地味に名演!

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この記事へのコメント

Taptim
2005年02月24日 23:57
風邪と腰、お大事に・・・・。

ガス人間!最初は題名でお笑いかと思ったのですが、
ひそかに名作ですよね~。

八千草薫、いまやすっかり癒し系奥様ですが、あんときゃ冷たそうな美人で、それにガス人間が尽くすのがよく解る。芸事はお金かかりますからね。
なつ
2005年02月25日 16:19
お気遣いありがとうございます。
熱はないので、インフルエンザではないと思います。
ぎっくり腰も昨年に比べると、ずっと軽いです。

八千草薫さん、最初の登場シーンで、般若の面を取ったとき、ぞっとするような美しさでしたね。
土屋嘉雄がガス人間になってしまったいきさつ、もっとすごいことを予想していたら、妙に気の弱そうなマッド・サイエンティストに…でも、あのとほほ感が好きです。
edc
2005年02月25日 21:34
見たくなりました^^

八千草薫さんの「蝶々夫人」が大好きです。彼女のエッセイに、関連の話題があるのですが、とても興味深いです。
なつ
2005年02月25日 21:49
八千草さんの「蝶々夫人」>ビデオで観ました!
さすが宝塚出身だけあってか、口パクも違和感なかったし、大変な熱演でしたね。
スズキで田中路子さんが出ていらして、ああ、この方がヨーロッパの社交界の花形だったという…と興味深く拝見しました。
edc
2005年02月25日 22:42
>口パクの違和感がなかった
そうですね。イタリア語で覚えて、ちゃんと歌ったそうです。オペラを聴いたのははじめてだったとか。さすがというか、凄いと思いました。歌を担当しているイタリア人ソプラノもとても美しい人で、八千草さんと顔の感じに共通点があるのも違和感がない理由のひとつかなと思ったりします。田中路子さんもほんとに素敵ですね。
なつ
2005年02月26日 16:07
トラックバックありがとうございます。
蝶々さんの声を担当されていたのは、オリエッタ・モスクッチイと仰るんですか。
ほんとうに八千草さんに面影が似通っているようですね。
田中路子さんは、大柄の美しい方で、さすが~と思いました。

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