Il quaderno d'Estate

アクセスカウンタ

zoom RSS 『シング・ストリート 未来へのうた』

<<   作成日時 : 2016/11/26 16:32   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 2

『シング・ストリート 未来へのうた』 "Sing Street"2015年 アイルランド/米/英)
上記公式サイトにアクセスすると、トレイラーの音声が流れるので、ご注意下さい。

アイルランドのロック・バンドで活動していたミュージシャン出身のジョン・カーニー監督の作品を初めて見ました。
1985年のアイルランド、ダブリンを舞台野青春音楽映画で、80年代のロック、そしてMTVのPVが全編に流れるとあっては、当時この世界にどっぷりだった私にはそれだけでもこたえられない映画でした。
映画としては『リトル・ダンサー』『フル・モンティ』そして日本の『ウォーター・ボーイズ』や『フラ・ガール』系の、厳しい現実の中で少年少女たちが(『フル・モンティ』は失業中のおっさんたちでしたが)、意外なものに出会って夢や生きる意味を掴んでいくお話。「夕日に向かってダッシュ!」な森田健作要素もあり、私はこういうの弱くて、『シング・ストリート』も見ている最中は涙ぐんだりしていたのですが、終わってみるとちょっと冷静になり、「予定調和だなー」とか思ってしまいましたが、もちろん一見の価値ある愛すべき作品です。

1985年、アイルランドのダブリンに両親と兄姉と暮らす14才のコナー(フェルディア・ウォルシュ=ピーロ)は憂鬱だ。父親の失業の所為で両親は不仲、学費節約の為に学費の安いカトリック系の学校に転校させられてしまったのだ。荒れたその学校の校門の前で、コナーはある日一人の少女に目を奪われる。その少女ラフィーナ(ルーシー・ボーイントン)の電話番号を聞き出すために、とっさに出た言葉「僕のバンドのPVに出ない?」を実現させるべくコナーはバンド結成のために奔走を始める。
バンドのメンバーが一人また一人と集まっていく様子が面白く、集まった仲間と曲作りをして、一緒に演奏するうちにコナーが音楽の素晴らしさに目覚めていく課程が、この手の映画の定番とはいえ、やはり清々しくいつの時代どんな時にも色あせない魅力に溢れていました。
少しずつ80年代っぽく様になっていくバンドの成長、素人ながらこれまた80年代っぽいPVの素人撮影を織り交ぜながら、両親の離婚話、厳格すぎる学校の神父=教師との葛藤、そし本命の彼氏がいるラフィーナとの思い通りにならない関係が描かれていきます。
そんな中でコナーに音楽的なアドバイスをくれて励ましてくれるのが、ちょっとばかり年が離れている兄ブレンダン(ジャック・レイナー)。ブレンダンが特に勧めたのが、The Jam"Town called malice"Joe Jackson"Steppin' Out"で、「お兄さん気が合うわ〜」とうれしくなりました。ただしブレンダンがデュランデュランやスパンダーバレエ押しなのはちょっと…。こんなところで私の趣味を押し付けるのもアレですが、サイモン・ル・ボンの粘っこい声質があまり好みでなかったのと、スパンダーバレエはキザなヴォーカルがマイク持ってる時必ず小指が立っているのがどうしても笑えてしまって…ブレンダンとコナーは憧れの目で見つめていたから、欧米ではあれがネタに見えたりはしてなかったんですね…
話が進んでしまいますが、トレイラーにもその部分が使われていますが、ブレンダンは弟に向かって「俺のように人生から逃げるな!」と旅立ちを促します。いいお兄さんなんだけど、本人も若いのになんでそんなに人生あきらめているのよ…と思いましたよ。『リトル・ダンサー』で
「俺たちには未来はないが、あいつ(次男)にはある!俺はそれを叶えてやりたい」とスト破りする炭鉱夫の父ちゃんを思い出しましましたが、親世代が自分の夢を息子に託すのならわかるんだけど、ねえ。

それはともかくとして、コナーたちのバンド、ずばり学校名をとって「シング・ストリート」は次第にバンドとして成長していき、コナーの風貌もびっくりするほどロックっぽく変わっていきます。

このあたりの曲がガキの素人バンドなりに80年代のイギリスのPVっぽくて懐かしい。
SING STREET - THE RIDDLE OF THE MODEL Music Video Clip


家族や学校、そしてラフィーナの心という思うにまかせない現実の中で、音楽とともに成長するコナー。特に好きなシーンを上げると、『ジャージー・ボーイズ』のグランド・フィナーレっぽいのですが、学園祭のギグの舞台で、コナーが夢想する演奏シーン。現実では心が通わない人々がこの夢の中ではみな楽しく歌い踊っている−特に校長先生!−のを見ると、音楽の魅力、夢の癒しがどんなに現実を乗り越えていくのに力となってくるか痛感させられました。

コナーの目に前に広がる荒涼とした海。そしてその向こうに垣間見えるイングランド。果たしてコナーは旅立つことができるのか。アメリカの青春映画の名作『スタンド・バイ・、ミー』を見た時も感じたことですが、欧米って生まれた土地を出ていくってとても大変なことなのかなあ、と思いました。

歌が生まれる瞬間に居合わせたかのようなこの曲"Up"が好き。







テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 1
なるほど(納得、参考になった、ヘー)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
久々に書き込ませていただきます。
この映画去年観たかったのに見逃したなぁと気になっていたのでレンタルしてきました。
この 時代の音楽使われたら私たちの世代は弱いよね。正確にはこの監督約一世代下なんだけど。
予定調和と言われるとそうかも知れませんが許せます。曲がまた名曲揃いなんだもの。ただ確かにジェネシスけなしてデュランにスパンダーバレイかよ、とは思う。
ともあれ監督は音楽映画に特化しているので『once』や『はじまりのうた』もすごくよいです。おすすめです。
FUMIE
2017/01/21 21:14
FUMIEさん、コメントありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
そうなんです。この時代の音楽と「シコ踏んじゃった。」「ウォーター・ボーイズ」系の映画には弱いんですよねー。
apple musicのおすすめでくるプレイリストでは、70年代のトップ40ものやロックを選んで聴くことが多いんですが、80年代だとMTVの映像があるのでインパクトが強いというのもあります。ブレンダン兄ちゃんが世代近いけれど、それでも私たちより少し下ですね(汗)アメリカのバンドで出てきたのはホール&オーツくらい?
この監督、アチラの映画批評家にすごく評価高いんですね。音楽三部作、見てみたいです。近くにレンタル店なくて不便なので、配信サービスに入ろうかとも考えてます。

2017/01/23 00:25

コメントする help

ニックネーム
本 文
『シング・ストリート 未来へのうた』  Il quaderno d'Estate/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる