Il quaderno d'Estate

アクセスカウンタ

help リーダーに追加 RSS 国立西洋美術館 「古代ローマ帝国の遺産」

<<   作成日時 : 2009/10/07 23:52   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 1 / コメント 2

今日は仕事が休みだったので、国立西洋美術館の企画展「古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ」に行ってきました→公式サイト

大型台風が日本列島に近づいている今日、のんきなことを言ってはいられないのですが、平日で雨天なら人が少なくて、ゆったりと見られるのではないかと思い、出かけました。確かに、ひとつの作品に人だかりがするようなことなく好きなだけ鑑賞する余裕はありましたが、それでもそこそこの人が入っていたので、皆さん熱心だなあと感心しました…って、私もそのうちの一人ではありますが。

前もって行っている方のブログで、出品数はそれほど多くないと聞いていました。それでも、あれっもう出口?と思ってしまいましたが、長い帝国の歴史の中から、初代皇帝アウグストゥスとポンペイ−すなわち紀元1世紀のローマの繁栄にテーマを絞ったのは、コンパクトで分かりやすい企画でした。
アウグストゥスの彫像は、おなじみ美青年時代の胸像だけでなく、左手を掲げた決めポーズ(?)を取り皇帝の威厳を表した高さ2mを超える巨大な座像が、見応えありました。カエサルや妻リヴィアの像がなかったのは残念でしたが、こぶりながら盟友アグリッパの胸像があり、いかにも武人らしい面構えが気に入りました。
カリヤードだった堂々たる女神像と、優美な人間の女性像という対照的な女性彫像を比較することが出来ましたが、衣服の襞の表現が、前者は直線的、後者は身体にまとわりつくように柔らか、と彫り方も対照的だったのが興味深かったです。いずれにせよ、大理石の優美な肌触りを間近でゆっくりと見ることが出来たのは、今日の収穫でした。
2002年の東京大学の発掘調査でナポリ近郊ソンマ・ヴェスヴィアーナから出土したという、デュオニソス像も大理石の肌触りを活かした、中性的な美青年像でした。参考展示の、女性とみまがうような美しい顔が地中から斜めに出土した発掘時の写真は、艶めかしくすら見えます→コチラのページで見られます。

イタリア大統領の好意で出品が実現したという紀元前3世紀作の青銅の「アレッツォのミネルヴァ」も、今回の展示の大きな見所です。ブロンズのギリシャ彫刻の真作が日本に来るのは、これが初めてとのこと。戦いと学問の女神ミネルヴァではありますが、武張ったところはなく、知的で繊細な女性らしさが印象に強く残りました。こうやってローマ時代のコピーではない、繊細にして唯美なギリシャの真作を目の当たりにすると、古代ギリシャの芸術の水準の高さを実感させられます。

古代美術というと、どうしても彫刻の展示に偏りがちですが、今回はポンペイから出土した壁画やモザイクの展示もあり、絵画にも重点が置かれていました。花や鳥の描写をて、ボッティチェリを思い出し、ああ古代とルネサンスは繋がっているのだなあ、と実感。

ランプ、銀食器、アクセサリー、コインなど工芸品の分野もしっかり抑えられていました。ランプ台が猫足になっていいるのを見て、イタリア人って猫足好きなんだなあ、とつくづく思いました。ほら、今でも街灯やテーブルなど至るとこで猫足見られるじゃないですか。アクセサリー類は、金のネックレス、双頭の蛇の指輪、真珠のピアス等々、完全に今でも通用するデザイン!

と、書いていると、自分でも内容濃い展示だったなーと思えてきましたが、しかしあの出品規模で当日券1500円は高いよ−、と見終わった時には思ったものでした。時間がすっかり余ってしまったので、常設展じっくり見られて、結局元は取れたけど…。と、芸術鑑賞をお金に換算するのは、貧乏人の悲しさかしらね。
おかげで、松方コレクションを基にした国立西洋美術館のコレクションの充実ぶりを、あらためて実感出来たので、結局よしということですね。学生時代からのおなじみの作品の他、新収蔵作品に、私の好きなセガンティーニのイタリアン・アルプスの農村風景の油絵が加わったのも、うれしいことでした。


画像

雨に濡れる「カレーの市民」も一興かと、携帯で撮ってきました。右下に「考える人」も写り込ませてみましたが、小さくて分かりにくいでしょうか?

設定テーマ

関連テーマ 一覧

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(1件)

タイトル (本文) ブログ名/日時
古代ローマ帝国の遺産 栄光の都ローマと悲劇の街ポンペイ
今日は父親の命日。お彼岸は仕事だったので、今日お墓参りに行き、その足で上野の国立 ...続きを見る
ごみつ通信
2009/10/08 00:22

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
今晩は。

あら、冷たい雨の中、大変でしたね。
この天気でも、そこそこの入場者はいたんですね〜。やっぱり上野は侮れないですね。

確かに出品数が少なくてあっという間に見終わっちゃいますよね。ただ、これだけの古くて大きな作品を、保険かけてるんでしょうが、日本まで運んで来てる事を思うと、多少高い入場料もやむなし・・という気もしますね。

ミネルバ像はブロンズだし、迫力ありますよね。記事の中に混ぜたかったんだけど、写真がどうしてもゲットできなくてやめました。

ポンペイって、悲劇の町であり、超1級の歴史的遺産であり、凄いですよね。その瞬間までの人々の暮らしが凍結されているところが凄い。それでもやっぱり物見遊山で眺めるのは気がひけます。何だかまだ、あの町で生きてた頃のままに暮らしている魂がありそうで・・・。

TB有難うございました!私もお願いしま〜す。
ごみつ
2009/10/08 00:21
ごみつさん、こんばんは。TB返しありがとうございます。
「古代ローマの遺産」ごみつさんの後追い鑑賞させて頂きました。

>これだけの古くて大きな作品を、保険かけてるんでしょうが、日本まで運んで来てる事を思うと
うーん、まあそうですねー。あの2mのアウグストゥスぐらいになると、大理石だから分解も出来ないし、船でいらしたんでしょうか。それと部屋丸ごとのポンペイの壁画は、ほんとうに運んでくるの大変だったろうなあと思いました。

私はローマ時代の模作だろうと、古代彫刻の素晴らしさにそんなに変わりはないだろうと思っていたのですが、紀元前の真作=ミネルヴァ像を目の当たりにして、やはり美術の教科書に書いてある通り、オリジナルのギリシャ彫刻の水準の高さを実感しました。ローマ帝国が衰えると、ヨーロッパは絵も彫刻もへたになっちゃったんですよね…つまりそれが文明の衰退ということ。

私が読んだポンペイの本読によると、救助に向かった人たちが二次災害にあったりしているんですよね。日本の火山噴火と同じように土石流がすごかったようです。2千年前のこととはいえ、鑑賞しながらも、追悼の気持ちを心のどこかに置いておこうと思います。
なつ
2009/10/08 21:57

コメントする help

ニックネーム
本 文
国立西洋美術館 「古代ローマ帝国の遺産」 Il quaderno d'Estate/BIGLOBEウェブリブログ